冬の時期のおめでたい花「フクジュソウ」

■春を告げる花の代表格

フクジュソウは、キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草です。
北海道から本州の山野に見られる草であり、春を告げる花の代表としても知られており、元日草などと呼ばれることもあります。
根には強心作用と利尿作用があるため、漢方薬として使用されることもありますが、毒性が強く素人が摘んで摂取することは厳禁です。
茎にも葉にも花にも根にも全てに毒があります。
特に根と茎に強い毒があり、万が一口にすると数時間以内に嘔吐や下痢、呼吸困難や心臓麻痺などの症状が出て命の危険にさらされることがあります。
早春のフキノトウと間違えて誤食しやすいため注意が必要です。
開花期は2月~4月で、草丈は20~30cm程度、花色は黄色のみとなっています。


■水やりについて

鉢植えの場合は芽出しから葉がある時期はたっぷりの水を与えましょう。
早い時期から開花したフクジュソウは、凍結で花弁が傷む可能性があるため、花に水がかからないように根元から水やりを行いましょう。
花後は、1日1回程度の水やりで大丈夫です。
真夏の落葉後は、休眠の時期に入るため多湿は避ける必要がありますが、適度な湿り気を保つよう水やりをしましょう。
一方、庭植えの場合は自然降雨で問題ありませんが、雨が降らずに猛暑日や日照りの日が続く場合は、乾燥し過ぎないように水やりを施しましょう。


■肥料について

植え込みのときに元肥で緩効性化成肥料を1株あたり数粒入れておきましょう。
芽出しが始まってから置き肥を行い、さらに同時に薄めた液体肥料を10日から2週間に1回ほど施すとなお良いです。
生育期に施す肥料の量は、翌年の開花に大きく影響を与えるのでしっかり肥料は施しましょう。


■病気や害虫について

病気ではないのですが、冬に凍結してしまった株元が腐ってしまうことがよくあります。
植え込みが遅くなった株については、特に凍らせないように管理してください。
夏は白絹病が発生しやすく、白い糸のようなもので株元が覆われてしまい、株全体の生育が衰えて枯れてしまいますので、発生を見つけたら株をすぐに廃棄しましょう。
庭植えの場合は土をよく耕して日光消毒し、鉢植えの場合は清潔な用土と鉢を使用することで予防できます。
花後に灰色かび病が発生したり、芽に黒いすすのようなものが出て枯れてきた場合は炭そ病やウイルス病の恐れがあります。
害虫については、春になるとナメクジの食害が発生しやすくなります。
このほかにもヨトウムシやアブラムシも発生しやすいですので、見つけたらすぐに捕殺するか薬剤をまいて駆除しましょう。